哺乳動物由来の脱分化脂肪細胞を用いた新たな骨軟骨前駆細胞の特許出願
2024-12-6
弊社は、「哺乳動物由来の脱分化脂肪細胞を用いた新たな骨軟骨前駆細胞」に関する特許出願を行いました。
近年、ヒトiPS細胞等の多能性幹細胞等を用いて作成した骨軟骨前駆細胞の移植により運動器機能の回復を目指す治療法の開発が進められていますが、骨軟骨前駆細胞を作成するためにヒトiPS細胞を用いる場合、その作製に必須である細胞への遺伝子操作(遺伝子導入)により、細胞の腫瘍化、遺伝子変異、過剰な免疫応答といった危険性を生ずることが課題として知られています。この課題を解決するため、骨軟骨前駆細胞を生体外で、細胞への遺伝子操作を行わずに、簡便に、かつ、効率よく製造する方法が求められています。
脱分化脂肪細胞から誘導した骨軟骨前駆細胞はこれまでに報告されておらず、今回、弊社の研究チームは、検討した結果、哺乳動物由来の脱分化脂肪細胞を骨軟骨前駆細胞へと分化誘導できることを見出し、本発明を完成しています。
■脱分化脂肪細胞由来の新たな骨軟骨前駆細胞に関する特許申請
今回、弊社は同社が発明した哺乳動物由来の脱分化脂肪細胞を用いた新たな骨軟骨前駆細胞に関し、下記の特許出願をしております。
≪特許申請の概要≫
発明の名称 | 哺乳動物の脱分化脂肪細胞由来骨軟骨前駆細胞 |
特許申請日 | 2024年12月5日 |
出願人 | 株式会社ルミライズ |
この発明の実施形態である脱分化脂肪細胞由来の骨軟骨前駆細胞を用いることで、骨軟骨前駆細胞の応答を指標とした薬剤のスクリーニング法を提供することも可能になります。
また、ヒト(個人)から採取した脂肪細胞を由来とした大量の脱分化脂肪細胞を製造し、それらを本発明の実施形態である骨軟骨前駆細胞へ分化誘導することで、ヒト由来の骨軟骨前駆細胞を大量に製造することが可能となります。
このような本発明の実施形態として得られるヒト脱分化脂肪細胞由来の骨軟骨前駆細胞については、運動器疾患(※例えば、骨粗鬆症、変形性関節症等)に対するオーダーメイド再生医療の細胞源として活用することが期待できます。